リチウムSOCl2電池
リチウムチオニルクロライド(Li-SOCl2)電池は、リチウム金属をアノードに、チオニルクロライドをカソード材料として用いた高度な一次電池技術です。この高度な構成により、優れた性能特性を発揮し、多くの産業用および商業用アプリケーションに最適です。これらの電池は、3.6Vの安定した定格電圧を提供し、1200Wh/Lを超える非常に高いエネルギー密度を実現します。Li-SOCl2電池の顕著な特徴の一つは、通常の条件下で年間1%未満という非常に低い自己放電率です。このため、10〜20年という長期間にわたり動作効率を維持することが可能です。電池の構造には、内蔵型電流制限装置や完全密封構造といった特別な安全機構を備えており、さまざまな環境条件下で安全に作動させることができます。この電池は極めて厳しい温度環境にも強く、-55°Cから+85°Cの範囲で機能を維持するため、屋外や産業用途に特に適しています。この技術の汎用性により、小型の円筒形セルから大型の特殊構成まで、さまざまなフォームファクタや容量オプションが可能であり、計器用メーター、産業用センサー、追跡装置、軍事機器など多様な電源用途に応えることができます。